2.具体的にはどういう検査、治療法があるのでしょうか?
CT検査では、くも膜下出血であるかどうかを診断することは可能ですが、くも膜下出血と判断された場合、引き続き、原因となっている脳動脈瘤の診断を行うことが必要です。
脳動脈瘤がどこに存在して、どのような状態(大きさ、形状)なのかを正確に把握することが、最適な治療方法の選択に繋がります。
脳動脈瘤の診断には、主に脳の血管を撮影する脳血管撮影が行われます。脳血管撮影とは、足の付け根などの太い動脈から、カテーテルという細いチューブをいれ、そこから造影剤を注入し、その造影剤が血管を流れてゆく様子をX線撮影する方法です。(造影剤とは、胃のレントゲンのときに使うバリウムと同じ原理の薬品です。)
●脳血管撮影 |
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以前は、撮影に時間(1時間以上)がかかったり、検査中の再破裂のリスクなど、患者さんにとってかなり負担となる検査でしたが、最近は、DSA(Digital Subtraction Angiography)というコンピューターを併用する方法の登場により、より少ない造影剤で、画質も格段に向上しています。
さらに3D-CTAという、CTを使用した血管撮影方法を用いることで、撮影した画像を3次元的に処理し、脳動脈瘤周囲の血管の構造を立体的に把握できるようになりました。
●3D-CTA |
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この方法により手術を行う上での多くの情報が得られ、また患者さんへの負担も少なく、短時間でおこなえるので、今後の脳動脈瘤診断の主流になると考えられています。 |