2013年度のゲノム支援拡大班会議を8月28-29日に神戸で開催しました。拡大班会議は、ゲノム支援の班員と公募で選ばれた支援課題の研究者が交流する場ですが、今回はこれまでの4年間(2011〜2013年度)に公募支援課題に採択された研究者の方々に参加を呼びかけました。ゲノム解析技術を共通項に、様々な生命科学研究者が集う拡大班会議は若手研究者にとっては刺激的な場です。例年通り、若手の共同研究者一名の旅費をゲノム支援で負担することとし、若手研究者の活性化、異分野交流とゲノム科学の裾野拡大をめざしました。
会議の参加者が300名近くにまで増加しましたので、細かな議論はポスターセッションで行うこととし、公募課題と情報解析支援班から144題のポスター発表が行われました。昨年度の支援課題の方々には3分間でのポスター紹介をプロジェクターを用いて行っていただき、前年度支援課題の進捗状況の確認を行いしました。
7月に採択を決定したばかりの本年度の支援課題に関しても研究計画のポスター発表を行っていただき、支援担当者と支援開始前に議論する機会を設け、効率的に支援活動が進むように配慮しました。ホワイエには個別相談用のブースを4か所設置しましたが、夜遅くまで解析結果に関する打ち合わせ等で活発な議論が行われていました。
ゲノム支援側からのプレゼンテーションでは、以下の内容での情報提供を行いました。初めに、支援で解析したゲノム配列情報のデータベースへの登録を促し、研究コミュニティーでの共有化を進めるために、「配列データのDDBJ/DRA/JGA登録方法」の解説を行いました。次に、「ゲノム解析の最新動向」のセッションでは、「シングル・セル・トランスクリプトーム解析の現状」、「ゲノム医科学の現状と課題」、「ゲノム微生物学の現状と課題」、「LAMP:統計的に有意な相乗効果を発見できる多重検定補正法」および「ゲノム指針の改正および最近のELSIの話題について」の講演を行い、各分野のトッピクスの紹介を行いました。
最後の全体討議では、残り2年弱のゲノム支援活動のさらなる改善に向けて、参加者からの貴重なご意見をお聞きすることが出来ました。
ゲノム支援では、ゲノム解析拠点の整備と公募課題の支援を通じて、最先端の情報・ノウハウの提供により、ゲノム科学のすそ野拡大とピーク作りに努めてまいります。